CSR(顧客管理)から考える Stripe Connect

この記事は、2022年 Stripe アドベントカレンダー 23日目の記事です。

Stripe Connect の 2つのタイプ、Direct ChargeとDestinationChargeについて、その支払いの仕組みよりも「顧客の管理」という視点が重要だなと感じるので、その点を記事にしたいと思います。

Direct Charge と Destination Charge の違い

この2つのタイプの違いをみなさんはどのように説明するでしょうか?

「Direct Chargeは、購入者の支払いが 最初に Connected Account へチャージされます。そのあと Platform Account に Fee が転送されます。それに対して Destination Chargeは、購入者の支払いがまず Platform Account にチャージされます。そのあとで Feeを除いた金額が Connected Accountへ転送されます。」

こんな感じでしょうか。

- Platform Account(= Stripe Connectでサービスを提供するホスト側)
- Connected Account(= Platform Accountが提供するサービスに接続して、そのサービス上で商いを行うアカウント)

顧客管理の視点から考えると、私の説明はこうなります。

「Direct Charge では、Connected Account が商品と顧客を管理します。それに対して、Destination Chargeでは、Platform Account が商品と顧客を管理します。」

CSRの視点から考えると、この違いはとても重要です。サービス全体として顧客を管理したいというニーズに対して、Direct Chargeを選択すると、Platform Account から Connected Account の顧客を管理できないため、顧客管理のために別の仕組みを導入しなければいけなくなります。また、Connected Account側の販売者側が個別の顧客を管理したい、というニーズに対して、Destination Chargeを選択すると 今度は Connected Account 側から 顧客を参照できないため、こちらも別の仕組みを導入する必要が出てきます。

このように考えると、私の経験も含めて DirectChargeとDestinationChargeの選択を間違わない判断基準は以下のようなものです。

Direct Charge を選択するケース

  • Connected Account が既に商品を持っている。顧客もConnected Account側についている。楽天やBaseのような一般的なマーケットプレイスを作りたいのなら Direct Chargeです。

Destination Charge を選択するケース

  • Platform Accountが提供する機能、商品を利用して、Connected Account側がサービスを提供する。販売代理店のように、親のプロダクトがあり、その商品を代わりに売るような形態を取る場合は、Destination Chargeが適しています。

終わりに

今年は、Stripe Connect とよく関わった年でした。提供するサービスの検討から参加したことで、Stripe Connect の大事なポイントに気づけたと思います。Stripe Connect では、「顧客を誰が管理するか」をまず考え、適切なタイプを選ぶことがほんとに大事です。これから Stripe Connect を導入検討される方の参考になれば幸いです。