Shifter TeamとRoleのケーススタディ

こんにちは。この記事は Shifter Advent Calendar 2020 10日目のポストです。

はじめに

Shifter は、WordPress を 静的なサイト(Static Site) として書き出す いわゆる SSG (Static Site Generator) です。この記事を書いている 2020年12月9日時点では、SSGの機能を搭載した Shifter Static、WordPress を純粋なデータソース (= 見た目のデザイン要素を省いたコンテンツデータベース)として最適化した Shifter Headless というふたつのプロダクトが提供されています。

このポストのターゲットは、Shifter Static です。

今回は、複数人でサイト管理をする際に必要不可欠な チームとロールの機能に焦点を当てて、Shifter を使って チーム作業するときのポイントなどを、ケーススタディのかたちでお届けします。

私は、Shifter のどちらかというと中の人ですので、開発者っぽい視点が入ってることをご容赦ください。m(_ _)m

では、さっそくいきましょう!

Shifter のチームとロール機能

はい。ではまず Shifter のチームとロールについて、確認しておきましょう。

まずは、ロールからです。

Shifter には、OwnerAdministratorEditorContributor の4つのロールがあります。

https://support.getshifter.io/en/articles/3724606-introducing-user-role-feature


Owner
オーナーは、Shifter上ですべてを処理できるユーザーロールです。

オーナーは、WordPressの起動と停止、ドメイン名の登録と削除、サイトとチームの作成と削除、成果物の生成と公開、課金情報の変更などを行うことができます。

Administrator
WordPressの起動と停止、成果物の生成と公開、チームに属しているサイトへのドメイン名の登録、添付または削除、他のユーザーをチームに招待することができます。

Editor
WordPressの起動と停止、所属チームの成果物の生成と公開を行うことができます。

Contributor
WordPressを起動・停止することはできますが、公開することはできません。

次に、チームについてです。

チームは、任意のサイトを特定の組織(部門、グループなど)に所属させる機能です。チームのオーナーおよびチームに所属するメンバーのみが、サイトを操作することができます。

https://support.getshifter.io/en/articles/2406541-introduction-to-shifter-teams

チームとロールをうまく活用することによって、Shifterアカウント内でサイトの公開範囲をコントロールすることができます。

すこし前置きが長くなりましたが、ユースケース別にみてみましょう。

1. ライターさんたちと編集者さん

複数人のライターさんがいて、編集する人が記事を推敲した上で公開する」、というようなフローを想像してみましょう。ライターさんが各自で 公開できてしまうと、ノーチェックでサイトが公開されてしまうことになり、チェックする側としては少し都合が悪いですよね? このようなときは、編集用のチームを作って、Controbutor ロールをライターさんたちに割り当てることで解決できます。

課題

ライターさんがパブリッシュできてしまうとノーチェックでサイトが公開されてしまう。

解決方法

編集用のチームを作り、ライターさんたちに Contributor ロールを付与してチームに招待する。

設定例

2. たくさんの部門で記事更新

Shifter自体は情シスなど管理する部門があって、記事の更新は各部署が独自に行うような組織の場合は、それぞれの部門で記事をチェックして公開までできるプロセスが便利です。またサイトは、複数の部門から更新されるので、必要な人に必要な情報のみアクセスできるほうが、サイトオーナーとしては管理しやすいです。このような場合は、各部門の担当者に Editor ロールを付与することで解決できます。

課題

部門の判断で記事投稿から公開まで行いたい。

サイトの操作に関連する人は部門ごとに絞りたい。

解決方法

各部門の担当者にEditorロールを付与してチームに招待する。

設定例

3. 1+2 (少し大きな組織向け)

各部門それ自体が大きなケースでは、部門ごとにサイトに対して複数の人が関与するケースがあると思います。その場合は、各部門の担当者の判断でチームにメンバーを招待できると作業効率がよいですね? その場合は、先ほど出てきた「2. たくさんの部門で記事更新」のパターンを拡張することで解決できます。

Editor として招待していた担当者に、チームの招待を許可できる Administrator ロールを与えましょう。

課題

部門の判断で記事の投稿者を追加したい。

解決方法

各部門の担当者に Administrator ロールを付与してチームに招待する。

設定例

Note

サイトオーナーは、招待したメンバーのロールを柔軟に変更することができます。最初は、前述した 2番目のケース「2. たくさんの部門で記事更新」だったけれども、「一つの部門だけ、複数人でサイトを管理するように変更します!」、というときは 対象部門の担当者だけ、Administrator ロールに切り替えるだけです。

Extra. 困ったときのShifterサポート

利用されたことがある人もいるかもしれませんね。Shifterでは、困ったときのお助けマン機能として、サポート用の特別アカウントをチームに招待することができるようになりました。

https://support.getshifter.io/en/articles/4417624-inviting-shifter-support-to-the-team

Shifter が管理する WordPress で、プラグインが動かない、テーマが反映されない、パブリッシュはされるけど、一部のページが書き出されない、など、原因特定が難しい場合、特に WordPress に起因する問題に関しては、この機能を使ってもらうと便利だと思います。

実際にサポートの担当者が問題の発生している WordPress にログインして確認することができます。

一つポイントとしては、問題の原因が Shifter自体の問題なのか、ユーザーさんが行ったWordPressへの操作によるものなのかを最初に切り分けられたほうが、解決は早いです。ですので、最初はダッシュボードの右下に出てくるチャットウィンドウで、質問するのがよいと思います。

それでは、よい Shifter ライフを。そして、よいお年を!